邦画の感想

【映画】『四月になれば彼女は』の感想

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※またネタバレほどの内容開示はないですが、一部の内容公開を含みます

2024年に公開された映画です。

主演は佐藤健さん、主要な登場人物として、長澤まさみさんと森七菜さんも出演されています。

※本ページの情報は2025年9月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

叙情

叙情的

読み方:じょじょうてき

感情気持ちなどが、じんわりと外に現れるような雰囲気文章などを表す言葉。「抒情的」とも書く。

引用:「叙情的(じょじょうてき)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

叙情的ーこの映画にはこの表現が適切だと思います。

川村元気先生の作品には、叙情的な世界観があふれています。

『世界から猫が消えたなら』もその一つです。



感触

冒頭にはどこか透き通るような感触があります。

私たちを、

まだ青い、

どこかはかなげで、

どこか懐かしい、

遠い場所へ連れてってくれるような。

非日常感を味わえるような始まりです。

心にスッと

どこか無駄なものを丁寧にそぎ落としたような作風で、

心にスッと入ってくるような小説・映画となっています。

いつの間にか

いつの間にか、藤代は怠慢になっていたんだと思います。

私たちもよくあると思うんです。

おおむね繰り返される日常に、フッと無意識のうちに伸びすぎた緩みが生じます。

その緩みは、伸ばすにはとてもたやすく、戻すにはとても苦労を伴います。

緩む瞬間に痛みがあったなら、どんなにいいことでしょう。

以前は、とにかく楽しいと思える理想が、人生においても理想だと思っていました。

しかし、楽しい日常というのを当たり前としてしまえば、

容易く私たちは、大切な物事に気づきにくくなってしまいます。

バランスの取れたフラットな生き方がやっぱり良いなと思うんです。

同時に、そんなバランスの取れた日常が、オートモードで進んでいけばどんなに良いだろうとも思うんです。

これは矛盾していることだろうとも思うんですが。

私たちの矛盾

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私たちは、いつも矛盾した中を生きています。

本当にそれは無意識のうちに巻き起こっているものだと思っていて、

刹那的に一瞬一瞬を生きてしまえば、淘汰されて当然の産物となってしまいます。

相手に怒っているようで、実は自分に怒っている。

相手に言い聞かせているようで、実は自分に言い聞かせている。

人は鏡とは、本当によく言ったもので、

自分の投影として周りの存在はあるのではと思ってしまうほどです。

勢いで書いてしまえば、上の分の「存在」と「ある」も少し矛盾しています。

いつの間にか朽ちる存在は、お互いで支え合う。

細かいところは許し合い、繊細にお互いを見つめ合うのが理想でしょうか。

まだ模索中です。

どこか人間に

私もどこか人間に絶望している節があったんだと思います。

「なぜこうしてくれないんだ」

「これはこうだと決まっているだろう。ありえない」

そんな自分の中の常識を掲げ、大手を振って歩こうと、我を押し通そうと、無意識のうちに生きていたのだと思います。

それは大なり小なりどんな人の中でも存在しうるものだと思っていて、乗り越えた先には、微笑ましい日常が待っていると思うんです。

『世界から猫がー』でも、川村元気先生は、どうしようもなくもどかしい思いを発する演出がうまいと思っています。

再生を願うのは

再生を願うのは他の誰でもない、私たち自身です。

誰もが今一つ幸せに届ききらずに、どこかもどかしさを感じている日常は、

当たり前に現実にそびえ立つものではありません。

それらはつまるところ、私たち自身が作り出していると思うんです。

ならば、私たち自身が変わることで、日常はとても幸せで温かいものになると、

私は信じています。

どうかこの作品を観て、人生に改めて再起をかけてください


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