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【映画】『パリタクシー』の感想

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※またネタバレほどの内容開示はないですが、ごく一部の内容公開を含みます

「不幸な人生」という名のプロローグ

この映画はまだらの水玉―雨模様から始まる。

主人公の、日常への混沌とした思いを現わしているようだ。

パリの街並み

パリの街を走る。

自分自身が訪れているような気持ちになる。

素晴らしい街並みの中で、主人公は鬱屈とした毎日を過ごしている。

こんなにきれいな街にも、私たちと同じように日々の悩みと向き合いながら、その時を生きている人がいる。

ご婦人

そこに気品ある老齢なご婦人が。

一見何の不幸もなかったような彼女と、中年の運転手(主人公)は、当たり前のようにやりとりが嚙み合わない。

次第に打ち解けていく。

展開されていく中で衝撃的と言える彼女の過去が。

彼女は主人公よりも悲劇的な人生を送ってきていた。

それが嘘のように、いつになってもその気品さが、彼女のまわりを漂う。

夜のパリ

夜のきらびやかな街を走っている。

彼女と過ごした1日のすばらしさに、幻想的な風景はかなわない。

観た感想

途中に凄惨なシーンがありますが、過去のできごととして語られている分、感情が吞み込まれにくくて良いです。

時間が90分と短めに収まっている分、ある意味で少しさっぱりめに観られます。

事前の情報量が少ないので、何を伝えたいのかこちらが読み取る必要があります。

逆に言えば、どう解釈するかは自由だということです。

この映画には自由とか余白とか、非日常と日常の融合が広がっていると、個人的には思いました。

そう世界観を解釈しました。

そして舞台がパリというだけあって、途中で絵画を観ているような瞬間が何度かありました。

他のパリ(フランス)映画にはないような、本当のパリを教えてもらっているような気がしました。

本当のパリって何なんでしょうか。

またロードムービー的な要素もあります。

タクシーの運転手がお客を目的地に連れていく―ただそれだけの物語にこれほどの壮大さが詰まっています。

それを日常のひとコマとして観るなんて。

感想②

どこで暮らすかというよりも、どう生きるかだということー自分次第だということを改めて学べたような気がします。

どんな場所だって、人々の悩みや生活のあり方はある程度は共通しているはずです。

中年の男性と、老齢なご婦人が主要人物というのが良いと思います。

カップルでもなく、夫婦でもない。かつ大きな年齢差がある。

良い意味で幻想的なところに感情を持っていかれず、フィクションでありながら最後まで地に足をつけて観ることができます

ディナーのシーン

ディナーのシーンが一番好きです。

私には、心を通わせることができた二人の宴のように見えました。

もしこの映画を観たならば、あなたが捉えたエピローグはどんなものになるでしょう。

良かったらぜひ。

まとめ

私たちの日常にも、改めて観れば美しい風景が、素晴らしき人々の営みが、喜びがあるはずだ

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