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【大事なことほど小声でささやく(小説・映画)】の感想

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※またネタバレほどの内容開示はないですが、ごく一部の内容公開を含みます

ささやき

「ささやき」とは、人の声や音を非常に小さな音量で、耳元で伝えるように話すことを指します。

これは、他の人に聞こえないほど静かな声で伝えることで、特別な親密さや緊張感を生み出す表現方法とも言えます。

ささやきは、普段の会話とは異なり、微妙な感情や秘密を共有する際に使われることが多いです。

そのため、ささやきには親しみや優しさ、あるいは密かな意図が込められることもあります。

このように、ささやきは言葉の使い方によって、さまざまな意図を持たせることができるのです。

引用:「ささやき」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!|コトバスタ

この作品における『ささやき』の意味合いは、ポジティブさや優しさのニュアンスで表現されている。

私は昔から人前でひそひそ話をされると、自分の悪口を言われているんじゃないかと思うことがあった。

しかし自分も仕事中に大事なことを小声で言って心にとどめたりすることもあるし、ヒトにささやいたりすることもある。

ささやきというものを常にポジティブで優しい存在だととらえていきたい、今日この頃だ。

混沌

2013年刊行の作品。

映画では四海先生の物語を中心として進んでいく。

娘を失ったという喪失を、四海先生は奥さんにぶつけてしまう。

そして奥さんも心を喪失し、途方に暮れたように日々を過ごしている。

しかし二人は別れることもなく、四海先生の方から関係を修復しようと働きかけ続ける。

奥さんはそれをただただ淡々と聞き入れているような、聞き入れているかもわからないような状況にある。

向かい合う

いつまで経っても埋まらない、治らないような心の傷を、現実的な日々が通り過ぎていく。

それでも自分はこの夫婦は理想的に想えた。

二人は心の奥底では向かい合い続けていたからだ。

ぶつかり合い方も対等だし、ある意味距離感がちょうどいいとさえ感じた。

娘の愛すべきラクガキを見つけた時は互いに共有し、喜び合い、奥さんは今日も旦那に冷えたおいしいビールを勧める。

あきらめない

どんなに苦境の時も二人でいることをやめなかった。

そしてケンカのような掛け合いの中で、互いの気持ちをすり寄せ合い、前に進もうとしている。

こういう夫婦でありたいと思った。

一方的な優劣はない。

そして互いの、娘の、残された二人の生き方について向き合い前進している。

融合

映画のエンディング曲も作品そのものとマッチしている。

映画はエンドロールの時点で終わった感覚になりやすいが、この作品はエンディング曲も含めての1作であると感じた。

エンディング曲は作品に向けた想いをそのまま余韻に浸らせてくれた。

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