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【大事なことほど小声でささやく(小説・映画)】の感想

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※またネタバレほどの内容開示はないですが、ごく一部の内容公開を含みます

混沌

2013年刊行の作品。

映画では四海先生の物語を中心として進んでいく。

娘を失ったという喪失を、四海先生は奥さんにぶつけてしまう。

そして奥さんも心を喪失し、途方に暮れたように日々を過ごしている。

しかし二人は別れることもなく、四海先生の方から関係を修復しようと働きかけ続ける。

奥さんはそれをただただ淡々と聞き入れているような、聞き入れているかもわからないような状況にある。

向かい合う

いつまで経っても埋まらない、治らないような心の傷を、現実的な日々が通り過ぎていく。

それでも自分はこの夫婦は理想的に想えた。

二人は心の奥底では向かい合い続けていたからだ。

ぶつかり合い方も対等だし、ある意味距離感がちょうどいいとさえ感じた。

娘の愛すべきラクガキを見つけた時は互いに共有し、喜び合い、奥さんは今日も旦那に冷えたおいしいビールを勧める。

あきらめない

どんなに苦境の時も二人でいることをやめなかった。

そしてケンカのような掛け合いの中で、互いの気持ちをすり寄せ合い、前に進もうとしている。

こういう夫婦でありたいと思った。

一方的な優劣はない。

そして互いの、娘の、残された二人の生き方について向き合い前進している。

融合

映画のエンディング曲も作品そのものとマッチしている。

映画はエンドロールの時点で終わった感覚になりやすいが、この作品はエンディング曲も含めての1作であると感じた。

エンディング曲は作品に向けた想いをそのまま余韻に浸らせてくれた。

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